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2024年1月19日金曜日

カメラはただの道具

妻のカメラ

写真関係のSNSで「カメラはただの道具」と考えてる人が多くて意外だった。

写真を撮る上でカメラは必需品であり、カメラの恩恵なしには写真なんて一枚も撮れないと思っているボクには「カメラはただの道具」とはちょっと思えないからだ。

カメラを「ただの道具」と思うことを批判したいわけではない。どう思おうと自由だ。おそらく、「ただの道具」という表現には「どんなカメラ(道具)を使っても狙った写真を撮れる」という自負が込められているんだろう。その自負を批判するつもりは全くない。

ただカメラに対するこの認識の違いはどこから来るんだろうと考えずにはいられなかった。

で、この認識の違いは写真に対するスタンスの違いなのかなと思ったのでちょっと整理してみたいというのがこの投稿の主題だ。

そのスタンスの違いはAI生成画像を写真として受け入れられるか、受け入れるのに違和感を感じるかの違いにもつながると思う。

写真に対するスタンスと書いたが、まず鑑賞する時のスタンスってざっくり2つのスタンスがあるんじゃないだろうか?

【写真鑑賞スタンス】

●主観派

写真は作品なので、見方は自由。作品には全てが詰め込まれているので、余分な情報は入れずに主観・想像力で鑑賞し、純粋に写真を鑑賞するのに付帯情報がない方を好む派。(フィルターを通して見たくない派とも言えるかな?)

●客観派

写真は、カメラで捉えた記録としての側面もあるので、客観的な事実(どこで撮ったとか、機材はなにかとか)があった方がより深く写真を鑑賞できると思う派。(多角的な視点で見たい派とも言えるかな?)

主観派の立場に立つと、客観派は多重フィルターの色眼鏡で写真を見てて、写真と直接向き合ってないように見える。

客観派の立場に立つと、主観派は経験値フィルターだけで写真を見てて、背景をも考慮しながら鑑賞の解像度を高めて見ていないように見える。

実際はどちらかの派ということではなく、状況に合わせて見方を変えてたり、最初は主観、その後客観だったり、この中間だったりするのだろう。

この鑑賞スタンスは撮影スタンスにも影響する、というか撮影スタンスが鑑賞スタンスに影響してるのかも知れないんだけど、こちらもざっくり2つのスタンスがあるように感じる。

【撮影スタンス】

●創作表現派(creating派)

 写真撮影は創作活動であり被写体は頭の中のイメージ・アイデアを具現化する為の素材・材料・題材(モデル)。カメラは撮影者の道具。その写真は撮影者が創り出した作品とする派。

●記録報道派(shooting派)

 写真撮影は世界の記録であり被写体は再度見るため・見せるための対象。カメラは撮影者のもう一つの目。その写真は撮影者が世界をどう見ているかを知る手掛かり、実体験の証明とする派。

鑑賞スタンスと同じように、撮影スタンスも、中間のスタンスというのがあるかも知れない。

で、そもそもの撮影動機は何かと考えると、主に4つあるように思う。

【撮影動機と目的】

1)今を記録したいから、現体験を記録したいから。その主な目的は、今見たもの・見ているものを伝える為、後で改めて見る為。

2)カメラで撮るとどの様に写るのか・見えるのかという好奇心から。その主な目的は、カメラの特性や可能性を知ること、発見すること。

3)自分が世界をどう見ているのか、自分にはどう見えているのかを表現したいから、伝えたいから。その主な目的は、様々な視点を共有すること。

4)頭の中にあるイメージを具現化したいから。その主な目的は、内にあるイメージをアウトプットし共有すること、世界を創ること。

3)は1)と2)の結果のようでもあり、そもそもの動機でもある気がするが、これら4つの動機で人は写真を撮っているんじゃないだろうか。

他にも動機は沢山ありそうだけど、すぐに思い浮かんだのはこの4つ。そしてこれらの動機は、そうすることが「楽しいから」「好きだから」「意義があるから」という感情に支えられていて、だからこそ写真を撮り続けてるんだろうなと思う。

とまぁ、「カメラはただの道具」という発言に違和感を感じ、写真に対する自分のスタンスは何なのかなぁ、ちょっと整理しようと思って長々書きました。


何かを表現するために撮るのか。

何かが表現されているから撮るのか。

ある写真家はこう言っていた。

写真になったとき世界がどのように見えるかを発見するために私は写真を撮る

―ゲイリー・ウィノグランド―

2017年1月9日月曜日

2016年に使ったフィルムの数と被写体

カモメとMiyu


2016年はどのくらい写真撮ったかなと思って
数えてみたら、

120フィルムが3本
135フィルムが31本
4×5フィルムが1枚

2015年に比べると
120フィルムがマイナス2本
135フィルムがプラス3本
4×5フィルムがプラス1枚だった。

去年よりカット数はちょっと多かったんだな。
最近写真を撮り歩く機会がかなり減ったので意外だった。

上の写真は去年Flickrで一番ファボられた写真。
その数、326フォボ。

たまたまエクスプローラー入りした結果だけど、
嬉しいよねぇ。

で思う。
野球はピッチャーで9割決まるなんて聞くけど、
写真は被写体で8割決まるんじゃないかと。

まぁそんなこと無いって意見の方が多数派だろうけど、
去年はそんなこと思った。

じゃぁ、どんな被写体をこれから撮っていこう?

美しいなぁと思うもの?
懐かしさを感じるもの?
逆に未来を感じるもの?

記録として残して置きたい時間や風景?
(変わり行く風景・変わりきった風景)

友人、知人、家族、他人?
日常?成長?事件?社会?

自分の頭の中のイメージ?

アレモコレモと思うと
全ての事象を写真に変換してしまえ!
くらいの勢いが必要になってくる。

まぁ結局僕の場合はカメラを持ってる時に
いいなと思ったもの興味をそそられたもの、
これ写真にしたらどうなるんだろうと思ったもの
を撮ってるだけなんだよな。

それで十分楽しい。

だからいい被写体に出会ったらいつでもシャッターが切れるよう
カメラにフィルムを入れてなるべく持ち歩こう。

今年も被写体との良い出会いが沢山ありますように!

2016年1月7日木曜日

2015年に使ったフィルムの数。そして自己満足。

部活

もう2016年も7日かぁ。

昨年は写真をあまり撮らなかったなぁって思って、
実際どのくらいフィルムを使ったのか数えてみた。

120フィルムが5本
135フィルムが28本。

2014年と比べると
120フィルムがマイナス5本
135フィルムがマイナス3本だった。

今年はもう少し撮りたいな。

上の写真は昨年Flickrで一番多くファボが付いた写真。
多いといっても34個だけど(笑)

趣味の世界ってのは「自己満足がゴール」らしい。
うん、そんな気がする。

では自分は満足してるのか?

お気に入りのカメラで、
パシャパシャ撮って、現像して、
上手く撮れたなとか、あらダメだったとか、
それだけで、そこそこ満足してる。

ではゴールしたのか?

う~ん。
そもそも自己満足の頂点がどこにあるのか
自分自身分からない。

今は、このペースで楽しく写真を撮っていけたらいいなぁくらいなところかなぁ。
あまりハードル上げて目標設定すると途端に嫌になっちゃいそうだし(笑)

僕にとって写真の楽しさは、
記録と記憶によって世界を再構築して眺められるところ。

ドキュメンタリズムに溢れたフィクションの世界。
その世界は映画を観てるように楽しいんだよね。

自主映画を撮ってる気分。
その気分を持続できればいいな。


今年は何カット、何シーン撮れるだろう。

2014年12月31日水曜日

2014年、使ったフィルムと自家現像代

タモンビーチの夕日に辿り着いた少女たち。

年齢を重ねると時間の流れが凄く早く感じるようになりますね。

もう今年も終わり。
やり残したことは一杯あるけど、それも毎年のこと。

今年はライカを買って、
写真ライフ的には更に楽しい一年だったかな。

今年は
135フィルム31本
120フィルム10本
撮った。

Kodak 400TXの3本パックが
1570円から2550円に値上がりしたのは痛いなぁ。

で、ふと現像代はいくら掛かってるのか気になった。

自家現像に使ってるのは
・コダックの現像液のD76(1ガロン用905円)
・イルフォードの定着液のRAPID FIXER(5リットル用1270円)
・フジフイルムのドライウェル(200ml:349円)
のみで停止液とかは使ってない。

1ガロン用のD76は(1:1)で希釈すると、現像液7.4リットル分作れる。
135フィルム1本を現像するのに300ml使うとして
約24本分の現像が出来るので、
1本あたり約38円(905÷24=37.708..)

定着液は5リットル作れて、5回使いまわすとして、25リットル分。
25リットルで135フィルムを83本は定着できるので、
1本あたり約16円(1270÷83=15.301...)

ドライウェルは40リットル出来るので、133本分
1本あたり約3円(349÷133=2.624....)

あ、あとネガを入れるファイルが必要か。
25枚入りで474円なので1枚19円(474÷25=18.96)
なので
135フィルム1本現像すると
38+16+3+19=76

まぁ現像液や定着液がへたれて使わずに処分したりすることもあるので、
とても76円じゃすまないけど、100円未満には収まってるかな。

上の写真は今年グアムで撮った一枚。
夕日を観に学生旅行風の少女達がふらっと現れて、
なんか青春してるなぁって思った。

今年のMy Best Shotを選ぶとしたらこの写真かなぁ。

来年は何本撮れるだろう。

良い年になりますように!

2014年7月3日木曜日

A棟389号室

A棟389号室

5月30日。82歳の父が大腸ガンの手術をした。

上の写真は手術後5日目くらいに撮ったもの。

「ガンを手術すると5年は生きるらしいからな」と父。

5年なんてあっと言う間だ。
で、ふと思った。
人生を振り返った時、父にとっての一番の思い出はなんだろうって。
そのことを尋ねるとしばらく考えてから父は言った。

「...わかんねぇな...」

わかんねぇよな。
これからかもしれないし。

とにかく歩くこと。

がんばってまだまだ歩け。